小学生の読解力アップが成績を上げる!家庭でできる取り組みとそのメリット

カジきたドットコムは、カジきたラボに通ってくれているご家族はもちろん、「全国の子育て世代のお母さま」の力になれることを願い発信しているメディアです。

【小学生の親必見】国語だけじゃない!読解力が子どもの未来を拓く5つの理由と家庭でできる簡単トレーニング

【小学生の親必見】国語だけじゃない!読解力が子どもの未来を拓く5つの理由と家庭でできる簡単トレーニング

「うちの子、国語のテストになると急に点数が伸び悩む…」

「算数の文章問題、問題文を最後まで読まずに答えてしまうみたい…」

「本を読むのが苦手で、すぐに飽きてしまう…」

小学生のお子さんを持つ保護者の皆さまとお話ししていると、このようなお悩みの声を本当によく耳にします。そのお悩みの背景には、多くの場合、子どもの「読解力不足」が隠れていることをご存知でしょうか?

「読解力」と聞くと、多くの方は「国語の力」をイメージされるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。読解力は、国語だけにとどまらず、算数や理科、社会といったすべての学習の土台となり、さらには日常生活でのコミュニケーションや将来の社会生活にまで直結する、まさに「基盤スキル」なのです。

この記事では、小学生のうちに読解力を伸ばすことが、お子さんの未来にどれほど素晴らしいメリットをもたらすのかを具体的に解説します。さらに、ご家庭で今日からすぐに始められる実践的なトレーニング方法もご紹介します。


そもそも「読解力」って、どんな力?

まず、「読解力」とは具体的に何を指すのでしょうか。これは単純に「たくさんの本を速く読める力」ではありません。本当の読解力とは、もっと深く、複合的な能力のことを指します。

  • 文章の意味を正確に理解する力:書かれている言葉や文の構造を正しく捉える。
  • 文脈や段落のつながりを把握する力:「なぜこの話の次にこの話が来るのか」を理解する。
  • 筆者の意図や登場人物の気持ちを想像する力:書かれていない背景や感情を読み取る。
  • 要点を整理し、自分の言葉で説明できる力:情報を取捨選択し、分かりやすく再構築する。

これらの力が組み合わさって、初めて本物の「読解力」と呼べるのです。つまり読解力とは、学力全般はもちろん、論理的思考力やコミュニケーション能力といった、これからの時代を生き抜くために不可欠な力の土台そのものなのです。


メリットだらけ!読解力がもたらす5つのすごい効果

読解力を鍛えることで、お子さんには具体的にどのような良い変化が訪れるのでしょうか。ここでは、5つの大きなメリットに分けて詳しく見ていきましょう。

メリット①:【学習面】全教科の成績がグングン伸びる!

読解力は、真っ先に学力向上という形で成果が表れます。

国語の成績アップは当然のこと

国語の文章題は、物語文であれ説明文であれ、「筆者が一番言いたいことは何か」「この登場人物はなぜこのような行動をしたのか」を読み解くことが求められます。読解力が高ければ、文章全体の構造を把握し、段落ごとの役割を整理できるため、答えの根拠となる部分を素早く見つけ出すことができます。なんとなく答えるのではなく、論理的に正解を導き出せるようになるのです。

算数・理科・社会…他教科にも絶大な効果

実は、国語以外の教科でつまずいているお子さんの多くが、計算力や暗記力の問題ではなく、「問題文を正しく読み取れていない」という課題を抱えています。
例えば…

  • 算数:文章題で、どの数字を使って何を計算すればいいのか、条件を取り違えてしまう。
  • 理科:実験の手順や結果の考察問題で、問いが何を聞いているのかが分からない。
  • 社会:資料やグラフを読み解く問題で、必要な情報を見つけ出せない。

このようなトラブルは、読解力があれば防ぐことができます。設問の意図を正確に理解し、自分の持っている知識や計算力を正しく発揮できるようになるため、ケアレスミスが劇的に減り、成績アップに直結するのです。

読解力が低い場合 読解力が高い場合
算数の文章題 キーワードだけ拾ってしまい、問題の意図を誤解する。 問題の状況を正しくイメージし、立式に必要な情報を正確に抜き出せる。
理科の実験説明 手順を読み飛ばし、実験がうまくいかない。 手順の意図を理解し、次の操作を予測しながら安全に実験を進められる。
社会の資料問題 グラフや表のどこを見ればいいか分からず、時間がかかる。 問いに対応する情報を資料から素早く見つけ出し、的確に答えることができる。

メリット②:【思考力・表現力】自分の頭で考え、伝えられる子になる

読解力を鍛える過程は、そのまま論理的思考力(ロジカルシンキング)を育むトレーニングになります。

論理的思考が自然と身につく

文章を読むという行為は、「なぜそうなるのか?」「どの部分とどの部分がつながっているのか?」という因果関係や対比関係を常に頭の中で整理する作業です。この思考の繰り返しが、物事を筋道立てて考える力を養います。「なんとなく」ではなく、「〇〇だから△△だ」と根拠を持って考えられるようになるのです。

語彙力・表現力が豊かになる

たくさんの文章に触れることで、子どもは自然と多くの言葉や表現方法をインプットします。例えば、「楽しい」という気持ち一つとっても、「嬉しい」「わくわくする」「胸が高鳴る」「心が弾む」など、様々な言い換えができるようになります。語彙が豊かになれば、自分の気持ちや考えをより的確に、そして豊かに表現できるようになり、作文や発表の場面でも自信を持って発言できるようになります。

メリット③:【コミュニケーション力】相手を思いやり、良好な人間関係を築ける

読解力は、他者との関わりにおいても非常に重要な役割を果たします。

相手の気持ちを想像する力

物語文を読む際、子どもは登場人物の行動やセリフから「この子は今、どんな気持ちなんだろう?」と心情を読み取ろうとします。この登場人物への感情移入の経験が、現実世界で相手の立場に立って物事を考える習慣、つまり「共感力」を育むのです。お友達との関係を円滑にする上で、これほど大切な力はありません。

すれ違いや誤解を防ぐ力

日常生活でも、先生からの指示、友達からのメッセージなど、言葉を正確に理解する場面は無数にあります。読解力が高ければ、相手の言いたいことを正しく受け取ることができるため、「そんなつもりじゃなかったのに…」といったコミュニケーションのすれ違いやトラブルを減らすことができます。これは将来、社会で働く上でも極めて重要なスキルです。

メリット④:【情報リテラシー】情報の波に溺れない「生きる力」

インターネットやSNSの情報が洪水のように押し寄せる現代において、文章を正しく読み解き、その真偽を判断する力は、もはや「生きる力」そのものです。

必要な情報を選び出す「取捨選択力」
あふれる情報の中から、自分にとって本当に必要な情報、信頼できる情報を見つけ出す力。

情報を鵜呑みにせず多角的に考える「批判的思考力(クリティカルシンキング)」
書かれていることをそのまま信じるのではなく、「本当にそうなのかな?」「別の見方はないかな?」と一度立ち止まって考える力。

これらの力は、すべて読解力の延長線上にあります。小学生のうちから読解力を通じてこれらの力を鍛えておくことで、情報に振り回されることなく、主体的に判断できる賢い消費者、そして責任ある情報の発信者へと育っていくでしょう。

メリット⑤:【自己肯定感】「できた!」の体験が自信と学習意欲を生む

最後に、読解力は子どもの心の成長にも大きく貢献します。

「やればできる!」という達成感

読解力がつき、これまで解けなかった問題がスラスラ解けるようになると、子どもは「できた!」という純粋な達成感を味わいます。この小さな成功体験の積み重ねが、「自分はやればできるんだ」という自己肯定感を高め、勉強に対する苦手意識を払拭し、前向きな姿勢を生み出します。

学び続ける姿勢が定着する

日常的に本を読み、書かれている内容について考え、自分なりに整理するという習慣は、生涯にわたって学び続けるための最高のトレーニングです。小学生のうちにこの「知的好奇心」と「学ぶ姿勢」の基礎を築いておけば、中学・高校、さらにその先の学習においても、自ら進んで学ぶ意欲的な人間に成長してくれるはずです。


今日から始めよう!おうちでできる読解力アップ術

「読解力が大切なのは分かったけど、塾に行かせないとダメ…?」いいえ、そんなことはありません。ご家庭でのちょっとした工夫で、お子さんの読解力はぐんと伸びます。ここでは、すぐに実践できる4つのステップをご紹介します。

ステップ1:まずは「読む」を楽しむ環境づくり

何よりも大切なのは、「読むこと=楽しいこと」という原体験です。無理に難しい本を勧める必要は一切ありません。 漫画や図鑑、クイズ本、ゲームの攻略本など、お子さんが夢中になれるものから始めましょう。「活字を読む」という行為そのものに慣れることが最初の目標です。リビングの手に取りやすい場所に本を置いておいたり、週末に一緒に図書館や本屋さんに出かけたりするのも素晴らしいきっかけ作りになります。

ステップ2:「話す」ことで思考をアウトプットさせる

本を読んだ後は、ぜひ内容について話す時間を作ってみてください。これが最高のアウトプットトレーニングになります。 「どんな話だった?」「一番面白かったのはどこ?」といった簡単な質問で構いません。お子さんが話してくれたら、「へぇ、そうなんだ!」「それでどうなったの?」と興味を持って相槌を打ってあげましょう。 慣れてきたら、

  • 「もし君が主人公だったら、どうしたと思う?」
  • 「この後、どうなると思う?」
といった、思考を深める質問を投げかけてみるのも効果的です。話すことで、頭の中の情報が整理され、内容の理解が格段に深まります。

ステップ3:「言葉」と友達になる習慣

文章を読んでいて分からない言葉が出てきたときが、語彙力を増やす絶好のチャンスです。「この言葉、どういう意味だろうね?」と、親子で一緒に辞書やスマートフォンで調べる習慣をつけましょう。「そのままにしない」という姿勢が大切です。調べた言葉を使って短い文を作ってみる「例文作りゲーム」なども、楽しみながら語彙を定着させられるのでおすすめです。

ステップ4:いろいろな種類の文章に触れる

物語文に慣れてきたら、少しずつ他のジャンルの文章にも触れさせてみましょう。世の中には多様な文章が存在することを知る良い機会になります。

  • 説明文:お菓子やプラモデルの作り方、家電の取扱説明書
  • ニュース記事:子ども向けのニュースサイトや新聞
  • 広告:スーパーのチラシやパンフレット

身の回りにあるあらゆるものが読解力トレーニングの教材になります。「このチラシで一番お得な商品はどれかな?」といったクイズ形式で関心を引くのも良い方法です。


まとめ

小学生の読解力を高めることは、単に国語の成績を上げるためだけのものではありません。

  • 【学習面】すべての教科の成績を底上げする
  • 【思考力・表現力】論理的に考え、自分の考えを発信できる力を育む
  • 【社会性】相手の気持ちを理解し、円滑な人間関係を築く礎となる
  • 【情報リテラシー】情報社会を賢く生き抜くための必須スキルを身につける
  • 【自己肯定感】学びへの自信と意欲を引き出す

読解力は、これらすべてにつながる「学びの土台」であり、お子さんの未来の可能性を大きく広げる、最高の贈り物です。

今回ご紹介した方法は、どれも特別な準備が必要なものではありません。保護者の皆さまが日常生活の中で少しだけ意識し、お子さんとの対話を楽しむだけで、子どもの読解力は必ず伸びていきます。焦らず、お子さんのペースに合わせて、今日からできる小さな工夫をぜひ取り入れてみてください。

この記事を書いているのは?

カジきた先生

京都で小中学生向けの超少人数学習塾「カジきたラボ」幼児教育「カジきっず」を創業した現役講師であり経営者。2児の父でもあり、教育現場と子育ての両面から自ら学ぶ子を育てる教育を追求している。

小中学生へ向けた授業動画やお母さんへ向けたお役立ち動画をアップしたYouTubeは動画数1000本以上、毎月2万回以上の再生回数を超える。幼児から高校生のお子さんを持つお母さんをメインに見て頂いています。

カジきたです
YouTubeでも情報発信をしています

読解力をアップして全ての教科の成績アップを実現しよう!

国語だけの成績が上がるのかと思っていたら、全ての教科に良い影響が出るんだね!

bookfan 2号店 楽天市場店
¥1,078 (2025/10/03 16:40時点 | 楽天市場調べ)

この記事を読んでいる人には、こちらの記事もおすすめです!

https://kajikita-labo.com/kosodate/1290/

目次