今回は、体験授業や三者面談でよく寄せられる質問の1つ、「個別指導塾は成績下位の子が通うもの?」についてのアンサー記事です。
私が実際に学習塾に勤め、経営し、様々な他塾の状況を調査した結果をまとめてみたいと思います。
個別指導塾は成績下位の子が通うと思われている根源
そもそも、なぜ個別指導塾は成績下位の子が通うと思われているのでしょうか。
それは、集団授業について行けなくなった生徒や、入塾試験のある塾で成績が届かなかった生徒に、その塾の個別指導部門へ誘導していたというところからスタートしていると思われます。
個別指導のスタイルは、大手の学習塾が集団授業でついて行けなかった生徒の受け皿として始めたり、フランチャイズ形式で全国に展開するために、採用してすぐの新人教室長やアルバイトの講師でも授業ができるように、成績の低い層をターゲットとして集客し始めたりして今になっています。
個別指導はでき始めこそ珍しかったですが、今となってはメジャーな学習塾の1つです。
もしも、「成績が伸びない=個別指導」だとしたら既に市場原理により淘汰されているはずです。
でも、なぜ残っているのでしょうか。
それは、成績下位で勉強が全く手につかなかったような子でも、成績中位くらいに上げることができるからです。
ですので、成績が上がらないということはありません。
もちろん、成績上位の子も通っていて成果を出している事実もありますが、それを専門にやっている集団塾には数で負けるのでインパクトが弱く目立たないほか、
集団授業も併せてもつ大手塾は、成績が上がり集団塾でもやっていけそうだと判断すると、集団授業の部門へ転籍するということが行われることから人目には成績が上位の子がたくさんいるというのが見えないのです。
昔は集団スタイルの補習塾も多くみられましたが、最近は数を減らしています。
特に、個人経営の小さな学習塾が特に数を減らしているように見えませんか?
その分を個別指導塾が担っている側面もあります。
集団塾は成績上位層なのか?
逆に集団塾なら成績上位層ばかりいるのかという点も考えてみましょう。
ターミナル駅にある大手の学習塾の看板をみると、
〇〇附属中学 〇〇名合格
御三家中高一貫 圧倒的合格者数 〇〇名
というような看板やのぼりがたくさん見られます。
それだけを見ると、あの塾に行けば成績が上がるんだ!
と期待を抱いてしまいそうなものですが、そもそも入塾するのに試験があるのをご存じでしょうか。
優秀な生徒を受け入れて、ハイレベルな教育を提供してくれる難関中学や難関高校であれば入試があるのも頷けます。
しかし、塾は今の成績が低い状態を上げるために通うものです。
保護者目線で改めて考えると、成績が低いから入れないとはちょっと不思議ですよね。
でも、塾経営者からの目線で見ると、入塾テストで篩(ふるい)に掛ける非常に理に適っているのです。
というのも、塾や学校でさまざまなお子さんを見ていると、どんなに勉強法を教えたり、授業を丁寧にやったとしても成績の上げる気がない子に出会うことがあります。
そういう子は、授業について行けず成績も上がりません。
すると、「〇〇塾に通っても成績が上がらない!」「〇〇塾はうちの子を見てくれない!」というクレームにもつながります。
集団スタイルではそのお子さんだけをフォローする訳にもいかないので、合格率や成績の平均、従業員や他の生徒の士気を下げる恐れのあるお子さんには
入塾してもらわないほうが、全体としての利益につながるのです。
優秀な講師が、授業をきちんと座って聞いて宿題もやってくれるお子さんを指導すれば、優秀な成果が出やすいですからね。
特に、宣伝広告費や教室の設備にお金の掛けられる大手塾はお子さんを選べる立場にあるのです。
(選んだ後に落ちてしまった子も系列の個別指導に誘導すれば全体としての利益も守られますし)
灘・開成・ラサールといった難関中学から東大生がバンバン出ているというのも、勉強をする素質のある人が入試を通過して、その勉強の素質を活かして東大・京大・医学部に進んでいるのと似ていますね。
壁に貼り出されるような優秀な結果を出されているところはほぼ全て厳しい入塾テストがあることからも以上のことがそこまで外れていないのでは?と考えられます。
個別指導でも成績上位を狙える塾はある?
では、個別指導でも成績上位を狙える塾はあるのでしょうか。
答えはあります。ですが、狙いやすい塾と狙いにくい塾があるので大まかに狙える塾の特徴を挙げていきます。
①難関校受験専門を謳っている個別塾
難関校を専門に扱えう個別塾があることをご存知でしょうか。
関東圏ではTOMASという塾が代表的です。
補習的な内容ではなく、中学・高校・大学受験を少人数個別指導で実施しているのです。
分からない問題を生徒に直接解説し、質問を受け付け、理解度をチェックしています。
このレベルの塾は大手の集団塾と遜色ないか、それを上回る難関校へのチャレンジが可能です。(お子さんの今の学年と学力レベルにもよります)
②個人経営(フランチャイズでない)の個別塾
個人経営で完全にオリジナルの塾をされている場合は、塾長の目の届く範囲に全ての生徒がおり、塾長自身の生活を懸けて経営していることもあり、成績や学習進度をきちんと管理してもらえることが多いです。
ある程度流行っている、開校年数が経っているのであれば実力があると判断して良いでしょう。
学校で成績の良い子が通っているということが分かればなお良いですね。
町の塾から難関校への進学者が結構出ているというのは珍しくありません。
人数が少ない分、塾長が直接教えてくれるということもあります。
まとめ
今回は、個別指導塾は成績下位の子が通うもの?というテーマでした。
成績のいい子が通う、集団塾の受け皿的なポジションにある個別塾はその仕組み上成績下位の子があつまる傾向がある一方、難関校受験専門の個別塾や、地域でしっかりと実績を出している個人経営の個別塾もあることが分かっていただけたでしょうか。
もちろん、何事にも例外はあるので、鵜呑みにせず、気になった場合は体験授業に行ったり、季節別講習のみ通ってみて自身とお子さまで判断してみてください。
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